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2012年02月29日

「わが子からはじまる食べものと放射能のはなし」に参加した

「わが子からはじまる食べものと放射能のはなし」に参加した。
日時:2012年2月26日(日) 14:00~17:00
会場:東村山市サンパネル コンベンションホール
主催:こどものごはん委員会
講師 食政策センター・ビジョン 安田節子さん 
話は、①放射線の人体への影響、②飲食物の基準について、③最大限用心して避けられる被ばくは避ける
についてであり、最後にQ&Aがあった。
①放射線の人体への影響 
放射性ヨウ素(I)やセシウム(Cs)が大量に放出された。これらは揮発性が高く遠くまで拡散した。
ヨウ素(I)は甲状腺に蓄積され甲状腺がんの発症につながる恐れがある。
セシウム(Cs)は同属のカリウム(K)と間違って吸収され、筋肉などに蓄積される。

放射線はどんなに微量でも影響はある。従って放射線の安全線量のしきい値は決められない。
食品安全規制の原則からすれば、しきい値が決められないものに許容摂取量は決められないので、
食品中に含まれてはいけないことになる。

放射能物質は半減期毎に半分になる。半減期を10回繰り返すと1000分の1になる。
1000分の1になるには、ヨウ素(I)は半減期が8日なので80日、またセシウム(Cs)137は
半減期が30年なので300年かかることになる。
体内に取り込まれるとこの間放射線を出し続けることになる。
外部被ばくに比べ内部被ばくの方が影響が大きい。

2月18日のシンポジウムでは、
内部被ばくと外部被ばくとの差はないということであったが、良く分からなくなってしまった。
低線量の領域のことは専門家の間でも意見がわかれるということではあったが。

②飲食物の基準について
新基準案(新規制値案)は、基準値の食品を摂取しつづけた場合の被ばく線量を最大
0.8mシーベルト(SV)/年にする数値であるとのこと。

しかし、空気中の放射線量が、例えば0.1μシーベルト(SV)/時ある地域では、
8時間屋外にいて、あとの時間は屋内にいるとしても、0.6mSV/年近くになることから、
あわせると1.4mSV/年となる。
外部被ばくも入れるとすると、とても1.0mSV/年にはおさまらないことになる。
どう考えればいいのだろうか。
また、基準値案の算出は、食べる食品の半分は汚染されていない0ベクレル(Bq)のものであるとし、
さらに食べる食材の種類および量はモデル化したものに則っているということである。
自分のところにあてはまるのだろうか。
あってほしくないことであるが、また原発事故が起きてしまったらどうなってしまうのだろうか。
暫定基準に戻るということなのだろうか。
新基準案(新規制値案)は次のとおり。
飲料水 10Bq/kg
一般食品 セシウム 100Bq/kg
乳児用食品と牛乳 セシウム 50Bq/kg
米、牛肉は2012年10月まで、大豆は2013年1月まで先送り。

③最大限用心して避けられる被ばくは避ける
食生活のキーポイントとしてあがった項目は次の3つ。
取り込みを防ぐ/排泄を促す/対応策は徹底した測定とBq値の表示
●取り込みを防ぐ:
・汚染のない地域のもの
・高ミネラル食で取り組みにしにくい栄養状態をめざす。
 セシウム(Cs)は同属のカリウム(K)と間違って吸収される。
 ストロンチウム(Sr)は同属のカルシウム(Ca)と間違って吸収される。
 体を、カリウム(K)、カルシウム(Ca)をいっぱいにしておくようにする。
 カリウム(K)を多く含む食品は、野菜や果物、豆類。
 「マゴワヤサシイ」+玄米 がお勧め。
  「マゴワヤサシイ」商標登録 杏林予防医学研究所 山田豊文 
・グレーゾーン地域の食材、調理、処理(水洗い、酢洗い、塩水洗い、ゆでる、煮る、酢漬け、発酵食品)で減らせる。
 料理の仕方については詳しくはホームページに掲載されている。
原子力環境整備センター「食品の調理・加工による放射線核種の除去率1994年」
・米 非汚染地の有機栽培の玄米を、次善の策はグレーンゾーンなら白米で食べる。
 精米すると、玄米のカルシウム、リン、鉄、マグネシウム、カリウムの50%~70%が失われる。
・乳製品 乳清(ホエー)に91%、チーズに7%、バターに1%移行する。
 乳清(ホエー)は利用制限が必要。
・牛乳 ストロンチウム(Sr)、セシウム(Cs)、ヨウ素(I)の80%は脱脂乳に移行する。
 心配なときは問い合わせ、数値をだしてもらう。
・魚 食物連鎖の頂点にいる大型魚はリスクが増す。濃縮のピークは半年から1年後あたり。
 概してはらわたに集まるから、丸ごと食べる小型はリスク大。内臓を除くと減少。
 回遊魚(カツオ、マグロ、秋刀魚、鯖、鯵、鰯など)
 淡水魚の汚染深刻

●排出を促す:
生味噌など醗酵食品、玄米、果物(ペクチンの多い)などで排泄。

●対応策は徹底した測定とベクレル(Bq)値の表示:
・自治体の検査頻度、対象産品の数不十分。高汚染のものが流通するのではの市民の懸念。
・スーパー大手(イオンなど)の自主検査。
・カタログハウスの店 検査と表示。
・市民放射能測定所が広がっている。

話の中で強調されていたこと
人任せにしない。自分の食の安全は自分で守るようにしよう。
おかしいと思ったことは、おかしいと声を上がよう。
生産者には数値をだしてもらうようにしよう。NDではなく。
放射能は閉じ込めるようにすることが原則である。拡散させるようなことをしてはならない。



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    Posted by これから at 11:58│Comments(0)放射線
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